― 強い店長は、“管理する人”ではなく、“改善が回り続ける仕組みを作る人”である ―
ここまでの「仕組化→9つのステップ」では、
- ビジョンステートメント
- ミッションステートメント
- 行動指針
- SMARTゴール
- 組織図
- 役職契約書
- KPI
- 業務マニュアル
について解説してきました。
ここまで整備できた店舗は、かなり強い店舗です。
しかし、実は多くの店舗がここで止まります。
ビジョンを作った。
KPIも決めた。
マニュアルも作った。
ところが半年後には、
「誰も見ていない」
という状態になってしまうのです。
実際、多くの企業や店舗で問題になるのは、
仕組みを作れないことではなく、仕組みが維持されないこと
です。
そこで登場するのが、仕組化の最後のステップである
管理システム
です。
ActionCOACHでも、仕組化の最終段階として「管理システム」が非常に重要視されています。
なぜなら、
仕組みは作った瞬間から古くなり始める
からです。
今回は、店長が「頑張って管理する人」から「改善が回り続ける仕組みを作る人」へ成長するための管理システムについて解説します。
管理システムとは何か
管理システムとは一言で言えば、
「仕組みを維持し、改善し続けるための仕組み」
です。
少しややこしく聞こえるかもしれません。
しかし考え方はシンプルです。
例えば、
- KPIを設定した
- マニュアルを作った
- 役職契約書を整備した
とします。
では、
それらが今も有効なのか。
守られているのか。
改善が必要なのか。
誰が確認するのか。
いつ確認するのか。
どう改善するのか。
これらを定めるのが管理システムです。
なぜ管理システムが必要なのか
多くの店長は、
「ちゃんとやっていると思う」
という感覚で管理しています。
しかし現実には、
やっているつもり
と
実際にできている
は違います。
例えば、
新人教育マニュアルを作った。
しかし半年後に確認すると、
新人によって教え方が違う。
店舗によって内容が違う。
誰も最新版を見ていない。
そんなことは珍しくありません。
問題はマニュアルではありません。
管理システムがないことです。
管理システムの役割はPDCAを回すこと
管理システムの本質は、
PDCAサイクルを回し続けることです。
Plan(計画)
KPIを決める。
マニュアルを作る。
改善目標を決める。
Do(実行)
現場で運用する。
Check(確認)
結果を測定する。
マニュアル遵守状況を確認する。
Act(改善)
改善策を実施する。
ルールを更新する。
これを繰り返す。
管理システムとは、
この流れを個人の努力ではなく、
店舗の仕組みとして定着させることです。
マニュアルは作るより更新が難しい
多くの店舗で起こる問題があります。
それは、
マニュアルは作ったけど更新されない
という問題です。
例えば、
レジシステムが変わった。
新商品が追加された。
クレーム対応方法が変わった。
しかしマニュアルは昔のまま。
これでは意味がありません。
だから、
管理システムの中に
「見直しのルール」
を組み込む必要があります。
マニュアル見直しのルーティーンを作る
おすすめは、
月1回のマニュアルレビュー
です。
例えば、
毎月第一月曜日。
毎月の店長会議。
毎月のリーダーミーティング。
どの形式でも構いません。
重要なのは、
必ず実施することです。
確認内容としては、
- 現場とズレていないか
- 分かりにくい箇所はないか
- 新人が理解できるか
- KPI達成に役立っているか
などがあります。
KPIも定期的に見直す
KPIも一度決めたら終わりではありません。
例えば、
オープン直後の店舗と、
安定期の店舗では、
重視すべき数字が変わります。
そのため、
3カ月に1回程度は
KPIレビューを行うことをおすすめします。
確認項目は、
- このKPIは今も重要か
- KGIと結びついているか
- 現場で測定できているか
- 数字が形骸化していないか
などです。
改善提案を吸い上げる仕組みを作る
現場は改善の宝庫です。
しかし、
改善提案が上がらない店舗は多い。
なぜでしょうか。
理由は簡単です。
言っても変わらないからです。
そこで必要なのが、
エスカレーションの仕組みです。
例えば、
現場スタッフ
↓
リーダー
↓
店長
↓
本部
という流れを明確にする。
改善提案書を作る。
会議で共有する。
採用・不採用を決める。
こうした流れを仕組みにすることが重要です。
管理システムがない店舗で起こること
管理システムがないと、
少しずつ組織は崩れていきます。
マニュアルが古くなる
現場とのズレが生まれる。
更新内容が共有されない
店舗ごとにやり方が違う。
KPIが形骸化する
数字を集めるだけになる。
改善提案が埋もれる
現場が諦める。
惰性が生まれる
「昔からこうだから」
が増える。
モチベーションが下がる
提案しても反映されない。
こうした問題は、
管理システムがあれば防げるものがほとんどです。
管理システムはスケジュール化しなければ機能しない
ここが非常に重要です。
改善は、
時間が余ったらやる
では実施されません。
必ず、
ToDo化する。
スケジュール化する。
担当者を決める。
期限を決める。
ここまでやる必要があります。
例えば、
- 毎月第1火曜日:マニュアル確認
- 毎月第2火曜日:改善案整理
- 四半期ごと:KPI見直し
- 半年ごと:役職契約書見直し
などです。
管理システムがある店舗は人が育つ
店長育成の観点で見ると、
管理システムは非常に重要です。
なぜなら、
改善する文化
が育つからです。
管理システムがない店舗では、
問題が起きる
↓
店長が対応する
↓
終わり
になります。
しかし、
管理システムがある店舗では、
問題が起きる
↓
原因を分析する
↓
ルールを見直す
↓
マニュアルを更新する
↓
再発防止する
になります。
これが仕組み化です。
店長の役割は「問題解決者」から「改善システムの設計者」へ
多くの店長は、
毎日起きる問題の対応に追われています。
しかし、
本当に強い店長は違います。
問題を解決するだけではなく、
問題が再発しない仕組みを作ります。
そのために、
ビジョンを作る。
役割を定義する。
KPIを設定する。
マニュアルを整備する。
管理システムを回す。
この流れを作るのです。
最後に
店舗運営において、
最大の敵はミスではありません。
惰性です。
「そのうちやろう」
「忙しいから後で」
「今は問題ない」
こうして改善が止まった瞬間から、
組織は少しずつ弱くなります。
だからこそ必要なのは、
頑張ることではなく、
改善が続く仕組みです。
「この店舗には、ルールを作る仕組みはある。しかし、ルールを育てる仕組みはあるだろうか?」
その問いから、
店長は現場管理者から、
組織を成長させ続けるリーダーへ変わり始めます。
仕組化9つのステップのまとめ
- ビジョンステートメント(目指す未来を定める)
- ミッションステートメント(果たす使命を定める)
- 行動指針(判断基準を定める)
- SMARTゴール(具体的な目標を定める)
- 組織図(必要な役割を定める)
- 役職契約書(役割と責任を定義する)
- KPI(成果を測定する)
- 業務マニュアル(成果を再現する)
- 管理システム(改善を継続する)
この9つが揃ったとき、店舗は「店長が頑張る店」から「仕組みで成長する店」へと進化していきます。


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