「売れているのに儲からない」は危険信号。利益が残る店長に共通する3つの視点

お金の基礎

売上目標を達成したにもかかわらず、「利益が思ったほど残っていない」と言われた経験はありませんか。

店長としては、「こんなに忙しかったのに、なぜ評価されないのだろう」と感じるかもしれません。一方、経営者は「売上はあるのに利益が出ない。このままでは店舗を増やせない」と考えています。

この認識のズレは、多くの飲食店で起きています。

店長は売上を追い、経営者は利益を見ています。

もちろん売上は重要です。しかし、利益が残らなければ会社は成長できません。給与も上げられず、設備投資もできず、人材育成にも十分なお金を使えません。

だからこそ、「お金の基礎」として最初に身につけてほしい考え方は、売上ではなく利益を見る習慣です。

実は、利益改善は売上アップよりも取り組みやすいことが多く、短期間で成果につながる可能性があります。

今回は、売上はあるのに利益が残らない原因と、店長が持つべき経営者視点について考えていきます。


売上ばかり追う店舗で起こる3つの問題

1. 忙しいのに会社も現場も豊かにならない

売上が増えれば、忙しくなります。

しかし利益率が低ければ、その忙しさは利益につながりません。

忙しいから人を増やしたい。

設備を更新したい。

給与を上げたい。

そう思っても利益が残らなければ実現できません。

現場は疲弊し、店長は「頑張っているのに報われない」と感じるようになります。


2. 売上アップしか改善策がなくなる

利益率を見ていない店舗では、

「もっと売ろう」

という発想しか生まれません。

しかし実際には、

  • 原価率が高い
  • 廃棄が多い
  • 人件費の使い方が悪い
  • 値引きが多い

など、利益を減らしている原因が隠れている場合があります。

売上だけを見ると、本当に改善すべきポイントを見失います。


3. 店長が経営者視点を持てなくなる

「店長とは何をする人なのか。」

この問いに対して、

「売上を作る人」

と答える店長は少なくありません。

しかし、多店舗展開を目指す会社や成長企業が期待する店長は違います。

利益を生み出す店舗をつくる人です。

売上だけを見る店長と利益まで考える店長では、数年後に大きな差が生まれます。


理想は「利益をつくる店長」になること

利益を残せる店長は、売上を軽視しているわけではありません。

売上と利益の両方を見ています。

例えば、

「客数は増えたが利益率はどうか」

「キャンペーンで売上は伸びたが利益は残ったか」

という視点を持っています。

このような考え方ができるようになると、店長は現場責任者から経営者視点へ一歩近づきます。

会社にとっても、安心して店舗を任せられる存在になっていくでしょう。


利益が残らない会社組織の3つの課題

1. 売上だけを評価している

会社が売上しか評価していなければ、店長も売上だけを見ます。

しかし利益を無視した評価制度では、本当に会社へ貢献した店長を評価できません。

利益率や改善活動も評価項目に入れることが重要です。


2. 利益の数字が共有されていない

「利益率は本部しか知らない。」

これでは改善できません。

店長が利益率を理解し、

  • 原価率
  • 人件費率
  • 粗利益
  • 営業利益

などを見られる環境が必要です。

数字は管理のためではなく、改善のためにあります。


3. 利益改善の時間が確保されていない

利益改善には、

数字を見る

原因を分析する

改善を実行する

という時間が必要です。

しかし忙しい店舗では、

営業

発注

シフト

クレーム対応

だけで一日が終わります。

未来への投資時間が取れなければ、利益は改善しません。


店長自身が見直したい3つの考え方

1. 利益率を見ていない

売上を見る店長は多くいます。

しかし利益率まで毎週確認している店長は意外と少数です。

利益率を見れば、

「何を改善すれば利益が増えるか」

が見えてきます。

数字は店長を責めるものではなく、店長を助ける情報です。


2. 売上アップだけを考えている

売上を10%伸ばすことは簡単ではありません。

一方、

廃棄率を改善する

発注精度を高める

シフトを最適化する

このような改善は比較的取り組みやすく、利益への効果も大きくなります。

実は利益改善の方が、売上アップより優先して取り組むべきテーマなのです。


3. 小さな改善を軽視している

利益改善は劇的な改革だけではありません。

例えば、

食材ロスを1%減らす。

アイドルタイムの人員配置を見直す。

不要な消耗品を削減する。

こうした積み重ねが利益率を改善します。

小さな改善を続けられる店長ほど、強い店舗をつくります。


今日からできる利益改善の5つのアクション

1. 毎週利益率を確認する

月末だけでは遅すぎます。

週単位で数字を見ることで、改善スピードが上がります。


2. 利益改善テーマを一つ決める

原価率。

人件費率。

廃棄率。

一度に全部やろうとせず、一つずつ改善しましょう。


3. スタッフにも利益を伝える

利益は店長一人では作れません。

廃棄を減らす。

食材を大切に扱う。

電気を節約する。

スタッフ全員が利益づくりに参加できる環境をつくることが重要です。

これは店長の当事者意識を組織全体へ広げることにもつながります。


4. 売上より利益改善を優先する

「もっと売らなければ」

と思ったら、一度立ち止まりましょう。

利益率を改善できることはありませんか。

利益改善は売上アップより短期間で成果が出やすく、成功体験にもつながります。


5. 利益改善を仕組みにする

毎月数字を見る。

毎週改善テーマを決める。

改善結果を振り返る。

この流れを仕組みにすれば、利益改善は継続できます。


【事例】売上は横ばいでも利益率が改善した店舗

ある飲食店では、毎月売上目標を達成していました。

しかし利益は年々減少していました。

店長は「もっと売上を伸ばさなければ」と考えていましたが、数字を分析すると原因は別のところにありました。

食材の廃棄が増え、人件費もピーク以外の時間帯で過剰になっていたのです。

そこで店長は、発注基準を見直し、仕込み量を適正化しました。

さらに時間帯別の来客数を分析し、シフトも最適化しました。

売上はほとんど変わりませんでしたが、利益率は約3%改善。

会社からの評価も上がり、店長自身も「売上だけを見るのではなく、利益を見ることの大切さが分かった」と話していました。


最後に

売上を伸ばすことは、店舗運営において重要な仕事です。

しかし、会社が本当に求めているのは、利益を残しながら成長できる店舗です。

だからこそ、店長には経営者視点が求められます。

「売上があるから大丈夫」と考えるのではなく、

「利益率は改善できないか」

という視点を持つだけで、店舗運営は大きく変わります。

利益改善は、売上アップよりも取り組みやすく、成果も見えやすいテーマです。

まずは毎週一度、利益率を確認することから始めてみてください。

その小さな習慣が、利益を生み出す店舗づくりにつながり、やがて多店舗展開でも活躍できる店長へと成長する第一歩になります。

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