― 100%参加が組織の可能性を最大化する ―
店長育成について考えるとき、多くの人は「エース社員を育てること」に意識が向きがちです。
売上を作るスタッフ。
接客が上手なスタッフ。
リーダーシップのあるスタッフ。
もちろん、そのような人材は組織にとって貴重な存在です。
しかし、組織が成長し続けるために本当に必要なのは、一部の優秀な人が頑張ることではありません。
組織の全員が、自分なりの形で組織の成果に関わろうとしている状態
です。
どれだけ優秀な店長がいても、どれだけ優秀なリーダーがいても、数人だけで店舗を成長させることには限界があります。
反対に、一人ひとりの力は小さくても、全員が同じ方向を向き、主体的に関わる組織は驚くほど強くなります。
ActionCOACHの組織・人材の考え方では、
- 強いリーダーシップ
- 共通のゴール
- ゲームのルール
- アクションプラン
- リスクテイクの後押し
- 100%参加
という6つの要素が組織成長の土台になります。
今回は、その最後の要素である
「100%参加」
について解説します。
100%参加とは何か
100%参加とは、
全員が同じ仕事をすることではありません。
全員が同じ熱量を持つことでもありません。
100%参加とは、
組織の目標や成果に対して、一人ひとりが当事者意識を持って関わる状態
です。
例えば、
ホールスタッフは接客品質を高める。
キッチンスタッフは提供品質を高める。
アルバイトは清掃や準備を徹底する。
リーダーはメンバー育成を行う。
店長は組織全体を成長させる。
役割は違います。
しかし全員が、
「店舗を良くしたい」
「お客様に喜んでもらいたい」
「チームの成果に貢献したい」
という意識を持っている。
これが100%参加です。
なぜ100%参加が必要なのか
事業の成長は、
店長一人では実現できません。
店舗運営に関わる人数が増えれば増えるほど、
組織力が成果を左右します。
そして組織力とは、
一部の人の能力ではなく、
全員の参加度合いによって決まります。
例えば、
10人のチームがあったとします。
3人だけが主体的に動く組織と、
10人全員が主体的に動く組織。
どちらが強いかは明らかです。
店舗運営においては、
小さな気付きや改善の積み重ねが大きな成果につながります。
だからこそ、
全員が組織に参加することが重要なのです。
100%参加がない店舗で起こる問題
一部の人に負担が集中する
多くの店舗で見られるのが、
「いつも同じ人が頑張っている」
という状態です。
店長。
副店長。
ベテランスタッフ。
数人だけが責任感を持ち、
その他のメンバーは指示待ち。
これでは組織は疲弊します。
当事者意識が育たない
何か問題が起きても、
「自分には関係ない」
という空気が生まれます。
クレームも他人事。
売上も他人事。
人材育成も他人事。
この状態では組織は成長しません。
改善提案が出なくなる
100%参加がない組織では、
改善活動が一部の人だけの仕事になります。
本来は現場に改善のヒントがたくさんあるにも関わらず、
それが活用されません。
離職率が高くなる
人は役に立っている実感を求めます。
自分の意見が反映されない。
必要とされていない。
そんな環境ではエンゲージメントが下がります。
結果として離職率も高まります。
なぜ100%参加が実現しないのか
店長が全部やってしまう
責任感の強い店長ほど陥りやすい問題です。
自分でやった方が早い。
自分で決めた方が確実。
そう考えているうちに、
スタッフは考えなくなります。
一部の人しか評価されない
積極的な人だけが評価される。
発言力のある人だけが目立つ。
すると控えめな人は参加しなくなります。
組織は様々なタイプの人で成り立っています。
全員が同じ方法で貢献するわけではありません。
発言しにくい雰囲気がある
提案すると否定される。
意見を言うと笑われる。
そんな環境では参加意欲は生まれません。
心理的安全性は100%参加の前提条件です。
目標が共有されていない
前回までのテーマである、
- 共通のゴール
- ゲームのルール
- アクションプラン
が曖昧だと、
何に参加すれば良いのか分かりません。
100%参加は突然生まれるものではなく、
これまでの5つの要素の上に成り立つものなのです。
店長が実践すべき100%参加の作り方
全員に役割を持たせる
役割がない人は参加しません。
例えば、
- 新人フォロー担当
- 清掃改善担当
- SNS担当
- 商品知識担当
など、
小さな役割でも構いません。
役割は責任感を育てます。
控えめな人にもスポットを当てる
100%参加を作る上で重要なのはここです。
積極的な人は放っておいても参加します。
問題は、
発言が少ない人です。
店長は意識的に、
「どう思う?」
「何か気付いたことある?」
と声を掛ける必要があります。
提案を歓迎する
提案が採用されるかどうかは別です。
まずは提案そのものを歓迎する。
その姿勢が重要です。
意見を言える組織は強くなります。
成果だけでなく参加を評価する
売上だけ。
結果だけ。
そうした評価だけでは参加は広がりません。
改善提案。
後輩支援。
チームへの貢献。
こうした行動も評価対象にする必要があります。
会議を参加型にする
店長が話すだけのミーティングでは参加は生まれません。
質問する。
意見を求める。
考えさせる。
こうした工夫が必要です。
店長に求められる巻き込み力
100%参加を実現するために最も重要なのは、
店長の巻き込み力です。
巻き込み力とは、
命令する力ではありません。
参加したくなる環境を作る力です。
人を信頼し、
意見を聞き、
挑戦を後押しし、
成長を認める。
その積み重ねが、
組織全体の参加意識を高めます。
優秀な店長が一人で頑張る組織よりも、
全員が少しずつ力を発揮する組織の方が強いのです。
まとめ
組織の成長は、
一部の人の努力だけでは限界があります。
本当に強い組織とは、
全員が組織の成果に関わろうとしている組織です。
100%参加とは、
全員が同じことをすることではありません。
全員が当事者意識を持ち、
自分なりの形で組織に貢献している状態です。
強いリーダーシップが方向を示し、
共通のゴールが目的地を示し、
ゲームのルールが判断基準を示し、
アクションプランが行動を示し、
リスクテイクの後押しが挑戦を促す。
そして最後に、
100%参加によって組織全員がその成長プロセスに加わります。
これこそが組織・人材の6つの要素が目指している姿です。
もし店舗運営に課題を感じているなら、ぜひ問いかけてみてください。
「この店舗は、一部の人が頑張る組織だろうか。それとも、全員が何らかの形で参加している組織だろうか。」
その答えが、店長育成と組織成長の次のステージを示してくれるはずです。


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