店長育成の本質は「現場を回すこと」ではなく「経営を理解すること」にある

お金の基礎

― 強い店長は、“売上をつくる人”ではなく、“利益を残せる人”である ―

「店長には、もっと経営者目線を持ってほしい」

飲食店経営者の方と話していると、
非常によく出てくる言葉です。

これは裏を返すと、

「今はまだ、経営者目線ではない」

ということでもあります。

では、
“経営者目線”とは何でしょうか。

リーダーシップでしょうか。
人材育成でしょうか。
現場力でしょうか。

もちろん、
どれも大切です。

でも、
その前に必要なものがあります。

それが、

「お金を見る力」

です。

なぜなら、
経営とは、

「限られた資源を使って、利益を生み出し続けること」

だからです。

そして、
店舗という単位でその最前線にいるのが、
店長です。

つまり店長は、

「現場責任者」

であると同時に、

「小さな経営者」

でもあるのです。

にもかかわらず、
多くの店長は、

売上は見る。
でも利益は見ない。

忙しさは感じる。
でも数字では語れない。

そんな状態になっています。

だからこそ、
店長育成において必要なのが、

「お金の基礎」

です。

その柱となるのが、

  1. 利益率
  2. 損益分岐点
  3. 報告
  4. KPI

この4つです。

今日は、この「お金の基礎」について整理していきます。


なぜ店長に「お金の基礎」が必要なのか

店長は、
日々さまざまな判断をしています。

今日は何人シフトを入れるか。
どれだけ仕込むか。
どの商品をおすすめするか。
どこで値引きをするか。

この判断はすべて、

お金

に影響しています。

でも、
本人にその意識がないと、

判断は「感覚」になります。

すると、

・なんとなく人を増やす
・なんとなく仕込みを増やす
・なんとなく販促をする

こうなります。

危険です。

店長に必要なのは、

「頑張ること」

ではなく、

「数字を根拠に判断すること」

です。

その土台が、
お金の基礎です。


① 利益率 ― 「いくら売れたか」より「いくら残ったか」

多くの店長は、

売上を見ます。

「今日は30万円だった」

これは大切です。

でも、
もっと重要なのは、

「いくら残ったか」

です。

例えば、

売上100万円。

利益率10%なら、
利益は10万円。

利益率20%なら、
利益は20万円。

同じ売上でも、
結果は倍違います。

つまり、

利益率とは、

経営の質

です。

利益率を理解すると、

・ロスを見る目が変わる
・人件費を見る目が変わる
・商品構成を見る目が変わる

店長が
「売る人」から
「残す人」へ変わります。

➢店長育成の本質は「売上を追うこと」ではなく「利益を残すこと」にある


② 損益分岐点 ― 「どこを下回ってはいけないか」を知る

次に必要なのが、

損益分岐点

です。

これは、

「ここを下回ると赤字になる」

というラインです。

例えば、

月の固定費が200万円。

必要売上が300万円。

このラインを知らなければ、

今日の売上が良いのか悪いのか、
判断できません。

忙しいかどうかではなく、

黒字かどうか。

ここを見る。

強い店長は、

「今月あと何万円必要か」

が頭に入っています。

つまり、

損益分岐点は、

経営判断の最低ライン

なのです。

➢店長育成の本質は「売上を追うこと」ではなく「最低ラインを知ること」にある


③ 報告 ― 数字で語る力

次に必要なのが、

報告

です。

ここでいう報告とは、

単なる連絡ではありません。

本質は、

「現場を数字で見える化すること」

です。

そのために必要なのが、

①記録を取る
②数字を見る
③数字を見せる

この3つです。

例えば、

「売上が悪いです」

では弱い。

「前年比90%です。
客数は同じですが、
客単価が落ちています。」

ここまで言えると強い。

報告力とは、

数字で会話する力

です。

これが、
店長の信頼をつくります。

➢店長育成の本質は「報告を受けること」ではなく「報告できる店長を育てること」にある


④ KPI ― 結果をつくる数字を管理する

最後が、

KPI

です。

KPIとは、

「結果を生む途中の数字」

です。

例えば、

売上を上げたい。

そのためには、

客数か。
客単価か。
リピート率か。

どこを動かすかを決める。

これがKPIです。

ActionCOACHでも、

「結果ではなく、
行動で変えられる数字を持て」

という考え方があります。

まさにその通りです。

KPIを持つことで、

「売上を上げよう」

という曖昧な目標が、

「客単価を100円上げよう」

という具体的な行動になります。

つまり、

KPIは、

未来を変える数字

です。

➢店長育成の本質は「結果を追うこと」ではなく「結果を生む行動を管理すること」にある


この4つはどうつながっているのか

ここが重要です。

この4つは、
バラバラではありません。

まず、

KPIで行動を決める。

例えば、
客単価を上げる。

すると、

利益率が改善する。

利益が増える。

その結果、

損益分岐点を超える。

黒字になる。

それを、

報告で共有する。

すると、
改善が回り始める。

つまり、

KPI → 利益率 → 損益分岐点 → 報告

この循環ができると、

店は強くなります。


なぜ店長は「お金」が苦手なのか

理由は大きく3つあります。


① 数字は経営者の仕事だと思っている

違います。

店長こそ、
数字を使う人です。


② 数字に苦手意識がある

「会計は難しい」

と思っている。

でも、
必要なのは高度な財務ではありません。

現場数字です。


③ 現場と数字がつながっていない

数字が資料の中にある。

現場に落ちていない。

ここをつなぐ必要があります。


店長に「お金の基礎」を教える3つの方法

では、どう育てるか。


① 毎日数字を見る習慣をつくる

売上。
客数。
客単価。

まずここから。


② 面談で数字を使う

「どうだった?」

ではなく、

「利益率どうだった?」

と聞く。


③ 行動と結びつける

ロス削減するとどうなるか。

客単価を上げるとどうなるか。

数字を現場に翻訳する。


店長の役割は「現場責任者」から「店舗経営者」へ

これからの店長に必要なのは、

現場を回すこと

だけではありません。

必要なのは、

店舗を経営すること

です。

売上を見る。
利益を守る。
数字を報告する。
未来を設計する。

これができる店長は強い。

つまり店長は、

「店を任されている人」

ではなく、

「店を経営する人」

なのです。


最後に

店長育成というと、
つい

接客、教育、マネジメント

に目が向きます。

もちろん重要です。

でも、
それらを支える土台があります。

それが、

お金の基礎

です。

利益率。
損益分岐点。
報告。
KPI。

この4つを理解すると、
店長は変わります。

感覚で動く人から、

数字で経営する人へ。

もし今、
「店長にもっと経営者視点を持ってほしい」
と感じているなら、

ぜひ、この問いを投げてみてください。


「あなたの店は、今、どうやって利益を生んでいますか?」

その問いから、
店長は“現場責任者”から“店舗経営者”へ変わり始めます。

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